プリ・クオリファイ

「プリ・クオリファイ」(Pre-Qualify or Pre-Qualification)と言う言葉は良く聞くけど、どういう意味でしょうか?
 
二、三年前かそれ以前に家を購入した人に聞いても多分答えは「知らない」と帰ってくるでしょう。実際はプロセスとして以前からあったのですが、余り日の目を浴びるプロセスではなかったかもしれません。「プリ・クオリファイ」と言うのは銀行等の住宅ローンの貸し手やモーゲッジ・ブローカ等の住宅ローン仲介者が、買い手の収入、貯金・資産、クレジット・スコア等を審査して、幾らまでの住宅ローンなら組めるかの見積もりを出してくれる作業です。
 
何故「プリ・クオリファイ」が重要になっているかと言うと、現在大量の差し押さえ物件等の問題物件が発生しているからです。これは一般的に「サブプライム問題」と称されていますが、基本的には「返済能力が無い人に金を貸した」のが問題です。貴方はもし都心を歩いていて見ず知らずの汚い格好をしたホームレスの人に「$10,000貸し手くれ」と聞かれたら貸しますか?人道的な行為でお金を少しあげるかもしれませんが、多分$10,000は貸さないでしょう。でも、当時の銀行は「OK!」の一つ答えで金を貸したでしょう。
 
なぜかと言うと米国全体の住宅値(中央値)は統計が始まった1968年から一度も下がったことが無いからです。住宅を沢山抵当に持っていれば絶対に損をしないと言うのが定説になっていました。2007年に初めて前年度比で住宅値段が-1.8%下がり、2008年にも下がっています。つまり2008年以前の一般常識は家の値段は「上がり続ける」と言うことです。
 
 
 
前の例でホーム・レスの人でも「家を買うから金を貸してくれ」と言えば銀行は喜んで貸したでしょう。絶対に損をする可能性が無いと考えられていたからです。
 
通常頭金が20%位が一般的ですが、銀行は「絶対損をしないなら、頭金無しでも良いではないか」と頭を働かせ、80/20ローンと言うのを生み出しました。これは第一積権者の銀行(メインの銀行)から80%ローンを組み、第二積権者(メインの銀行と同じ場合も有るし、違う銀行の場合もある)が残りの20%のローンを組み、頭金0%で住宅を買えるローンです。住宅値段は全米平均で年平均成長率が6.3%なので、4年家を持っていれば楽々20%値上がりし、その時点でリファイナンス(新しいローンを組む事)すれば20%の頭金が捻出できるからです。頭金無しで家が買えるなら誰でも買いますよね?更にローン利率も丁度この時期低かったのでここで住宅バブルに火が付いたと思われます。ここで「銀行」と言っているのは銀行を含む色々な貸し手を含んだ物をさしています。
 
ここで止めて置けばよいものを、銀行は「支払能力が無い人にも金を貸したらどうか」と閃きました。これが自己申請ローンです。借り手が実は年収入が$50,000だったとしても、ローンの組み手が「年収$200,000と書いて置けよ、誰もチェックしないから」と借り手をそそのかし、ローンを組みました。「少しくらい悪い借り手を混ぜても沢山ある良い借り手がカバーしてくれるだろし、住宅の値段は上がり続けるので問題が無いはず」と言う理屈です。食べ物の例を使えば「賞味期限が切れた牛乳を少しだけ(10%?)新鮮な牛乳に加えても誰も気が付かないだろう」と言うのに似ているかな?住宅ローンの場合はこれが「コラテライズド・デット・オブリゲーション」(Collaterized Debt Obligation-CDO)と呼ばれ、色々な金融機関に又売りされました。更に「支払能力がまったく無い人にも金を貸したらどうか」と考え、最低限必要なクレジット・スコアを更に引き下げ、最後には「ローン初期の金利を下げればクレジット・スコアが低くともローンを通せる」という「初期低金利利率変動ローン」および、「利息のみ返済ローン」等が登場しました。いったい何を考えていたのか…。
 
誰でも家が買えるようになり、カルフォルニア等の前代未聞の値段高騰を見て、誰も彼も家を買いたがり、家の値段はドンドン上がっていきました。この時点で、「賞味期間が過ぎたミルクは80%/新鮮なミルクは20%のミックス」位となっており、誰が飲んでも酸っぱいのが分かるくらいになっていたでしょう。
 
ここでインフレ懸念で公定金利が(Federal Fund Rate)が1%から徐々に6.5%まで引き上げられ、住宅ローン金利も上がり、家を買いたがっている人はもう全て家を買ってしまったので、家の売買が冷え込み、更には支払能力が無い人たちが支払い滞納を始め彼らが住宅を売りに出しても買い手が居ず住宅値段が暴落し、一挙に差し押さえ物件が大量に出て、CDOの値段も暴落し(CDOで銀行が損を出さないために保険を掛けていたAIGが破綻寸前まで落ち込む)、銀行も「マーク・トウー・マーケット」(Mark-to-Market)の会計法のため、帳簿上の損益を計上せずにはならず、新たなローンを組む資金が消滅した。住宅ローンを組めないため、売り手は沢山居るのに買い手が全然居ないため、住宅価格は更に暴落しました。
 
 
何の話をしてたんだっけ?あ、そうだプリ・クオリファィだ。
 
と言う経緯で住宅ローン審査が一気に引き締められ、2009年5月の時点では本当に支払能力がある人にしかローンは組めなくなっています。ただ、支払能力がありクレジット・スコアが良い人にとっては空前の低金利状態で、30年固定利率ローンが今では5.0%を切った利率でローンが組まれています。この住宅ローン審査のルールも現時点では毎日のように変わっており、プリ・クオリファィの審査を受けなければその買い手が実際に金を借りれるか?又は幾らまで借りれるかと言うのが判断できません。ローンを組めないのに買う家を探してもしょうがないし、手が届かない値段の家を見学してもしょうがないのでプリ・クオリファイが重要になってきます。頭金0%ローンの復活を待っている人も居るみたいですが、上記の説明を聞いた後で銀行は又同じ過ちを繰り返すと思いますか?私は頭金0%ローンは絶対復活しないと信じています。
 
更に、今沢山出ていてお買い得の物件も有るREOやShort Sale物件にオファーを出すには、絶対に銀行からのプリ・クオリファイ・レターが必要です。どちらのタイプの物件も銀行が承認しないと売買の合意が成立しませんが、銀行は差し押さえ問題に懲り懲りしているので、プリ・クオリファイ・レターの添付が無いオファーは却下されます。REOやShort-Saleのお買い特の物件は、出て数日で売れてしまうので、プリ・クオリファイを既に完了している買い手に取られてしまいます。「良い物件が見つかってからプリ・クオリファイすれば良い」とお考えの方も居ますが、自分がいったい幾らの物件を買えるか分からない中、どうやって良い物件を探せるのか、数日で売れてしまうお買い得物件のチャンスをどう掴むかと言うのが問題になってきます。
 
尚、私の不動産サービスはプリ・クオリファイの手助けも含まれているので、御必要なら言ってください。もし十分の頭金が用意でき、支払能力がある方なら、他の問題があってもお助けできると思います。銀行などに以前プリ・クオリファイを断られ他経験がある方も、私と一緒にチャレンジしてみませんか?
 
追記:プリ・クオリファイをするにはクレジット・スコアを出すための費用が$15~$30かかる場合がありますが、それ以外の費用は発生しません。
 
槇島
 
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