ショート・セールに付いて

現状のマーケットは地域に寄りますがまだまだShort Sale(別名Short Pay)やREO(Real Estate Owned)が多い情況です。先ず簡単な説明をしますとShort Saleはローンの残額が物件の現在価格より多い物権で、その差額をレンダーに損をして貰い物件を売る事をさしています。例えば2007年のピーク時に$400,000の物件を銀行に$350,000借りて買ったとします。ただ、その物件は2010年の今$300,000でしか売れなくなっているとします。この物件を売った場合銀行にローン返済の為$350,000-$300,000=$50,000を売主が追加で払わなければいけませんが、その分を銀行に「御免なさい、もう返済能力がありません、銀行の損を承知で物件を売らしてください」とお願いして売る事をさします。実際はクロージングコストが掛かりますのでロスはこれより高いですが、話を単純に進める為に売る時のクロージング・コストをここでは無視します。REOは差し押さえ済み物件に成ります。
 
何故銀行が$50,000のShort Saleのロスを承知するかですが、答えは「その方のが差し押さえをした時より損が少ない」からです。物件が銀行に差し押さえられ、REOに成ろうが、Short Saleであろうが、この物件はどうせ$300,000でしか売れません。差し押さえた場合それに掛かる費用が大体$30,000から$70,000余計に掛かるのでREOの場合その分余計な損に成るからです。Short SaleはREOの一歩手前です。Short SaleのがREOより銀行にとって得なはずなのに、何故Short Saleが成立するのが難しいかが私のお客様に良く聞かれる質問です。
 
実際Short Saleの成功率の確立は7%と言われています。不動産エージェントをやっていて「まあそんな所だろう」と感じています。7%と言うのは14件Short Saleが有った場合そのうちの1件しかShort Saleが成立しない確立を指しています。何でそんなに確立が低いかと言うと積権者(お金を貸している側)と責務者(お金を借りている側)の全者が合意しないと成り立たないからです。
 
では何故成り立たないかと言うと:
 
責務者が銀行の条件に合意しない。銀行は「$50,000の損で家を売る事は合意しますが、それを抵当権の責務から個人責任のローンに代えさせてもらいます」と言う事で、Deficiency(足りない額)を責務者の個人責任にする場合。カルフォルニア州(州法によって違う)の場合、家を差し押さえられたら責務者のローン及びDeficiencyは帳消しになります。例えばDeficiencyが$200,000とかの高額の場合、責務者にとって差し押さえの方が条件が良い場合がある。差し押さえ(Foreclosure)は責務者のCredit Scoreに悪影響になりますが、どうせShort Saleも同じ悪影響でどちらにせよ今後7年間くらいはローンを組めなくなる。Short SaleのがCredit Scoreに対してのダメージは少ないが、今後Credit AgencyがForeclosureとShort Saleを如何扱うかが不明。別にShort Saleを実行した後、自己破産することも可能だが、Bankruptcy(自己破産)のがCredit Scoreに悪影響大の可能性がある。
 
積権者が合意しない。積権者というのは物件に対して何らかのLien(権利)を申し立てている者です。基本的には住宅ローンがほぼ全ての物件のLienとして有りますが、そのほかにはJunior Lender(80/20 Loan,頭金0%ローンの20%のレンダー)だったり、Home Equity Loanのレンダーだったり、コンドミニアムの場合はHome Owner Associationだったり、州のProperty Taxだったり、Mellos-RoosのTaxだったり、家を修理したContractorだったりします。他にはPMIでおなじみのローン保険を掛けている業者からの承認が必要な場合があります。
 
例えば当初Bank of Americaにローンを組んでもらったとします。普通の80%Loanで、そのローンがBank Of Americaが持ち続けたとします。この物件がShort Saleに成ったらBank of Americaだけの承認で売却できるので、Short Sale成立の可能性は大きいです。ただ、責務者は古い滞納ローンで差し押さえ寸前の物件の処理に追われているので、つい最近最初の滞納通知を出したローンなどに構っている時間が有りません。これもShort Saleが長く掛かる理由の一つです。
 
次の例も当初Bank of Americaにローンを組んだとします。又普通の80%Loanですが、今回はBank Of AmericaがそのローンをSecondary Marketで売ってしまったとします。実際銀行などは彼らの書いたローンの20%位しか彼らのPortfolioに残していず、残りの80%は他のInvestorに売ってしまいます。このローンを買うのは大体準国家機関(で政府介入を必要とした)Freddie MacとFannie Mae、又はPrivate Investorに売ったとします。この例ではFreddie Macがこのローンを買ったと仮定します。この場合Bank of Americaはローンの窓口としたLoan Servicerとなり、支払いの受付、滞納の催促等のサービスは提供しますが、このローンは実はFreddie Macの持ち物となります。このローンを額面以下で売った場合Freddie Macの損(つまり我々が払っている税金が無駄使いされる)に成ります。Freddie Macとしても損をするのは嫌だからBank of Americaに「本当に積権者が支払いできない確認を証明しろ、何故こんな悪いローンを我々に売ったか、そんな高い額の損は我々としては受けられない」とBank of Americaに文句を言ってきます。Freddie Macは準政府機関なのでオバマ政権が現状を整理しようとしている中余り煩く言ってこないでしょうが、例えばこのローンがGoldman Sachsか何かの保有になっていたら中々Short Saleの合意はしてくれないでしょう。このようなローンの滞納保険をAIGが掛けていたのが彼らの崩壊の問題の一部と成っています。
 
次にローンを二つ抱えている物件の例を取ってみましょう。County Wide Mortgageから80/20Loanを組んでもらい、80の方の$320,000はGoldman Sachsに売られ、20の方の$80,000はMerrill Lynchに売られたとします。現在この物件は$300,000でしか売れないとしましょう。Goldman Sachsのほうは優先積権者なので最初にお金が戻ってきますので$320,000かして$300,000戻ってくれば「まあしょうがない、承認しよう」となりますが第二積権者のMerrill Lynchの方は「一寸待て、うちは全額ロスではないか、そんな条件は絶対飲めない」ときて、Short Saleは成立しない。どうせ差し押さえになるから同じじゃないかと思いますが、支払い滞納の理由が失職の場合、その人が雇用されれば支払いは又再開され、時間がたてば物件価格が又上がり始めるという期待の中、Merrill Lynchは物件が差し押さえになる寸前まで中々合意してくれません。Goldman Sachsが差し押さえのノーティスを出した時点でやっとMerrill Lynchは「しょうがない、$5,000だけでも我々にまわしてくれ」と言ってきて売買価格$305,000だったらShort Saleが成立する可能性があります。但し、この場合は第一積権者が差し押さえギリギリの所まで行かないと第二積権者合意しない場合が有ります。
 
さて、次のケースですが第一、第二積権者の上に更にHOA Feeを滞納していたとします。と言う事はHOAからも合意を得られなければShort Saleは成立しません。更にはProperty Taxも滞納している場合、政府は一銭の損も認めないので、誰かがProperty Taxを納金しなければ行けません。第一積権者は物件がMarket Valueで売れ、それを丸々貰おうとしている、第二積権者、HOA、Property Taxも皆何らかの支払いを期待しているので、このShort Saleは通常のセールより高い値段で無いと成立しない場合がありますが「何故購入者の私が他の人の責務の支払いの肩代わりをしなければいけないか」と当然マーケット価格でしかオファーを出してきません。
 
積権者との交渉を誰が行っているかですが、大体Listing Agentが行っています。といても彼らはShort Sale NegotiatorではなくReal Estate Agentなのでこの道のプロではありません。Short Sale Negotiatorを使ってAgent達が我々のコミッションの一部を出してShort Saleを成立使用する場合もありますが、Short Sale Negotiatorを使ったからと言い売買成立の確立が上がるとは経験上思えません。これは単にListing Agentが銀行との交渉を嫌がり、他に仕事を回しているだけです。
 
上に上げた全ての責務者と積権者が合意しないとShort Saleは成立しません。Lender一者の簡単なShort Saleも有りますが、大体今マーケットに出ている物件は二者の積権者が居るShort Sale成立に難しい情況になっています。
 
更にいいますと、この難しい情況の中で銀行は更なる貸し渋りをしていて、Appraisal(査定)が低め低めに出て来て、銀行は購入に必要は総額を貸してくれません。
 
この難しいマーケットの中、良い不動産エージェントを雇わなければ中々売買が成立しません。
 
 
 
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